北陸ほうろうき②加賀百万石編
「9:02」
起きた時間です。
朝食時間は9:30まで。ただ9時にはホテルチェックアウトまでしてる予定でした。
前回僕はダメ人間からの脱却というこれまで数多くの人が立て、無残にも敗れ去ってきたであろう目標に果敢にも挑戦しました。
ところが現実はあまりに非情。
ダメ人間脱却ならずという結果でした。
ただですね、失敗してこその人生だと僕は思うのです。成功ばかりの人生なんてつまらないですし、歴史名を残した偉人はその失敗をバネに這い上がってきたのだと思うのですよ。失敗は成功の母。
何より朝ごはんを犠牲にしてたくさん寝たことにより返って体力が漲ってる感じすらするのですよ。
と、大口を叩いても旅程が少し押してしまったのは事実なのでいそいそとチェックアウトします。
外に出るとしんしんと粉雪が舞っています。まさに「こなあああああゆきいいいい!!」の世界です。
まず最初に目指したのは武家屋敷跡です。
金沢は戦災を免れたおかげで古い街並みが比較的残されています。その中でも江戸から続く武家屋敷群が、趣あるとのことです。
ルートインからテクテク歩いて行くと江戸から続く金沢のインフラを見ることができます
城下の用水を司った水門です。今は新しくなっていますがかつてここには城下の用水を管理した水門があったそうです。金沢の街を歩いていると水路を目にしますがその調節を行なっていました。
歩道にたくさん雪をかき分けているおかげで石碑が半分埋もれてます。この辺にも屋敷と土塀があったのでしょうか。そこから少し歩くと室鳩巣の屋敷跡があります
室鳩巣は江戸時代の儒学者で初め加賀藩に仕えました。赤穂事件で赤穂浪士の助命を行なったことでも知られています。
東に進んで行くと長町と呼ばれるエリアになります。この長町こそが武家屋敷の町です。
うーん、エモい。エモすぎる。
この長町は加賀藩士(中・下級武士)が住んでいた屋敷があり、土塀が続く町並みの中では今も市民の生活が営まれています。
この石畳、風情しかない。
ところで塀にかかっている藁ですが、これは「薦掛け(こもかけ)」と呼ばれるもので雪から塀を守るために冬になると付けるものなんだそうです。
武家屋敷群を抜けて行くと金沢の繁華街、香林坊に出ます。
香林坊から兼六園へと至る道が百万石通りとなっています。
ところでこの百万石、加賀国だけでなく能登や富山の一部を加えた上での石高なので加賀だけで100万石達成したわけではない
という話を富山の人から聞いたことがあります。
何はともあれ大名最大の石高を有した加賀藩は前田氏の統治の下栄えていき、そのお膝元金沢も繁栄します。
明治に入りこの香林坊には旧制四高が設立(のちの金沢大学)され、学生街としても栄えました。
この百万石通りの先に兼六園があります
岡山の後楽園、水戸の偕楽園と並んで日本の三大庭園とされ、池泉回遊式庭園です。
さすが豪雪となっただけあって雪がすごいですが、雪の兼六園が堪能できます。
木にかかるこのローブは雪吊りと呼ばれ冬のシンボルになっているそうです
池の水も凍ってますがなかなかの景色です。
雪の兼六園と言われる所以がわかりました。
兼六園のすぐお隣が金沢城。櫓がそびえ立っています。ここが石川門です。
よく見ると石垣が鏡餅のように四段に積み上がっています。あの辺りが本丸です。
登城早々に面白いものが見れます。
この写真を見て何か気づくことがありますか?
そう、左右で石垣の積み方が違うのです。
左側は「粗加工石積み」、右側は「切石積み」という積み方をしています。
なぜこのような積み方が行われたのかというと、金沢城の歴史と関係あります。金沢城はもともと戦国時代、一向宗の拠点だった尾山御坊が始まりとされ、城主となった前田利家が本格的に改修しました。その後、火災や修理で石垣の積み直しが行われるときはその時の最新技術やデザインを取り入れていき、時代の流れが感じられるほどにさまざまな石垣が配されたお城となったのです。
これは三の丸にある河原門ですが見てくださいよこの石垣。きっちりハマって色使いも抜群。もう芸術的逸品。芸術が爆発してる。
このように金沢城は「石垣の博物館」とも言えるのです。
三の丸から橋爪門を通ると二の丸へと続きます。金沢城は本丸に天守閣がない代わりに櫓がそびえ立っています。
二の丸から一気に本丸を落とそうとしましたが、雪の影響で入れませんでした。
そのかわり三十間長屋がありました。これも櫓の一つで重要文化財に指定されています。
本丸への石垣はこんな感じ
仄かに色づいている石を使用しており無骨な積み方でもシュッとした印象を与えます。
ここからさらに降って行くと黒門があります。そこを抜けて下城しました。
【まとめ】
という事で兼六園、金沢城を堪能しました。
金沢城の魅力は櫓もさることながら何と言っても石垣。かなり心踊る石垣が見れます。石垣好きは是非金沢へどうぞ。
次の舞台は福井です。
北陸ほうろうき③に続く