お城の本2
どうも
最近お城に行けてないので(主に財力の問題)、かといってブログの更新を止めちゃうのもなんか嫌だし(主に体面の問題)ってのもあってこれからは買った歴史本の紹介もしていこうと思います。
お城の本って銘打ってますけど幅広く歴史の本を紹介していきます。(最初に紹介したのが城の本だったのでこんな名前にしちったてへぺろ)
テーマは「承久の乱」です
承久の乱とは鎌倉時代の1221年に起きた後鳥羽上皇と鎌倉幕府との戦いです。いちに不意打ち承久の乱って語呂合わせで覚えた人もいるかと思います。
この本では承久の乱に至るよりも前、院政の成立から始まり、源頼朝による鎌倉幕府の創設、その死後に北条氏はじめとする御家人同士の戦い、源実朝暗殺による源氏将軍の断絶と北条氏の主導権把握と話が進み、承久の乱へと繋がっていきます。
こういった戦いだと、敗者の扱いがかなり風当たりの強いものになるのが世の常です。
この例に漏れず後鳥羽上皇も出自が皇族ということもあり戦下手、リーダーシップも取れないのに大それた乱を企画した人という印象が強いのかと思います。
この本ではそういった後鳥羽上皇の人物像の再評価も試みています。
新古今和歌集を編纂し諸芸能に秀でた文化人という面だけでなく、源実朝死後の幕府との駆け引きを演じた強かさも示しています。
何より鎌倉幕府内部の混乱、政争が都をも巻き込み出したことへの怒りや幕府への不満が乱へ繋がっていき、かなり用意周到に乱を計画していることを明らかにしていきます。
また、後鳥羽上皇は鎌倉幕府を倒すのではなく自らのコントロールの下に置くことが目的だったことを論じています。
学校ではたった数行でしか書かれない承久の乱ですがそこに至るまでには長い道のりや出来事が積み重なっていたことがわかります。
さて、承久の乱は幕府の圧勝に終わりますが、この乱がもたらした影響、とりわけ六波羅探題設置による鎌倉幕府の西国支配強化についても本書では書かれています。
鎌倉幕府、北条氏の権力掌握の転換となった承久の乱、いつかこれに関連する史跡に行ってみたいです。
- 作者: 坂井孝一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2018/12/19
- メディア: 新書
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